メイルのスレッドをチケットとして用いた
トラブルチケットシステムの構築
99H003 赤松康介
akamatsu@h-ps011.ise.osaka-sandai.ac.jp
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はじめに
- 管理者は安定したネットワークサービスを提供する必要がある。そのために、障害の把握と迅速な対処が求められる。
- ある程度の規模をもつネットワークの管理は、複数の管理者が協調して作業を行なうことが多い。そのために障害情報や作業履歴の共有が必要となる。
- このような目的でトラブルチケットシステムが利用されることが多い。
- 本研究では、メイルのスレッドをチケットとして用いたトラブルチケットシステムを構築した。
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トラブルチケットシステムとは
- 大規模システムの保守管理やヘルプデスクサービスに利用されている情報管理システム。
- おもに障害情報の管理や、ソフトウェアのバグの管理などに使われている。
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本研究で提案するシステム
- 障害発生を通知するメイルから始まるスレッドを一つのチケットとして扱う。
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チケットの運用
- OSUNET Monitor によって監視対象の停止が検知された場合、停止を通知するメイルがメイルリストに送信される。このメイル(オープンメイル)の送信をもってチケットの発行とする。
- 作業担当者へのチケットの割り当ては、作業担当者が自ら宣言することで割り当てを行なう。
- 管理者および作業担当者は、原因の分析・復旧作業等に関する情報をオープンメイルへの返信として送信する。
- 監視対象のマシンもしくはサービスが復旧するとOSUNET Monitor が検知し、復旧を通知するメイルがメイルリストへ送信される。このメイルはオープンメイルへの返信として送信される。このメイルの送信をもってチケットの終了とする。
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チケット表示の例
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OSUNET Monitor とは
- 大阪産業大学学内ネットワーク(OSUNET)を構成するルータやサーバマシンおよびその上で提供されるサービスの稼働状態を監視するシステム。
- 監視対象が停止した(応答が無くなった)場合、および復旧した場合、その情報をメイルで管理者に通知する。
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他のシステムとの連携(既存のツールを利用)
- 既存のソフトウェアを利用することで、ネットニュースやウェブコンテンツへの変換が可能になる。
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他のシステムとの連携(自作のツールを利用)
- 自作のフィルタや CGI を利用することで、ネットニュースクライアントやウェブブラウザを用いてシステムへアクセスできるようになる。
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本システムの利点と問題点
利点
- メイルシステムは標準化されているため、他のシステムとの親和性が高く、拡張性が高い。
- 使いなれたメイラを利用してチケットを扱うことができる。
- チケットが終了された後も、スレッドを利用して議論を続けることが可能。
問題点
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まとめ
- 本研究で構築したシステムでは、チケットとしてメイルのスレッドを利用した。これにより、管理者にとって使いなれたメイルを用いてチケットを運用することが可能になった。
- ウェブ・ネットニュースシステムと容易に連携できることを確認した。
- 同様の障害に関する過去のチケットを検索する機能の実装。
- より大きな規模のネットワークで利用できるように、作業担当者の割り当て方法の検討。
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